DbDをプレイすると遭遇する「煽り」行為。みなさんはどのように感じていますか?
「不快だ!」という声の一方で「戦略」「ルール的に問題ない」という意見もあります。
そこで本記事では、膠着状態にあるDbDの煽り問題について、脳科学で考えていきたいと思います。
お伝えする内容はおおまかに以下の4つ。
- なぜ、煽りが生じるのか?
- なぜ、煽りだと感じるのか?
- 煽る人と煽らない人の違いは何か?
- 煽りの対処法は?
本記事はすこし長めですので、お求めの情報は下にある目次から飛んでください。
とくに”煽り感情のコントロール”という項はわりと重要です。
※当方は医療関係者として脳神経学には一部関りがあるものの、本記事は一個人の考察にすぎません。
【DbD】なぜ煽るのか?なぜ煽りだと感じるのか?
DbDにおける「煽り」とはどのような行為なのか?まずは確認から話しを進めていきます。
ゲーム上での代表的な行為を上げてみます。
- 連続屈伸
- 過剰な通知モーション
- 過剰なライトカチカチ
- ケバブ
- (チート行為)
…などなど…
※チャット、メッセージといったプレイ以外による中傷・暴言などはここでは触れません。
ここではこれらを「煽り」と定義してお話しします。
ちなみに煽り行為はBANの対象ではありません。
BANであれば”禁止”のひとことで済む話しです。
ですが、そうではありません。
そのため煽りの議論は絶えることなく行われるのだと思われます。
煽りに対するDbDの公式見解「”嘲笑する意思”があるかどうか」
公式では煽りをどう考えているのか?
フォーラムで交わされた議論をのぞいてみると、公式ではこう述べています。
“煽り”に関係する考えの根幹として「ゲームにおいて煽りは行為者に“嘲笑する意思”があって初めて成り立つ」と捉えています。
»「タゲ取りとしての屈伸・エモート(手招き指差し)→煽り」の考えは誤りだと思いますが、皆さんの認識を聞きたい。
公式では煽り行為者に”嘲笑する意思”があるかどうか、という見解を述べています。
ですが、煽り行為を行ったプレイヤーに「嘲笑する意思」があるかどうかは、その本人に質問してみないと分かりようがありません。
分かりようがないのですが…、
人間はその状況や文脈から、相手の意図する行為がなんなのか?
を、推察することができる生き物です。
なぜ、煽りと認識するのか?学問「語用論」より
ここから脳科学的な話しになります。
人には、ことば以外からでも状況や文脈から「言語的な意味を想起する能力」を持っています。
たとえば、”相手に向かって手を出す”という行為。
これだけでは何を意味するのか判断できませんが、相手が何かを食べている状況であれば「ちょうだい」を意味するのかも?と想像力が働きます。
このように「話し手(動作主)が伝えたいと思っている意味」を理解できるのはどうしてか?を研究する学問に”語用論”という分野があります。
そこでDbDの特定の行為を、私たちはなぜ、煽りだと認識するのか?について語用論から考えてみようと思います。
これにより、煽りの線引きや定義化などに迫ることができるかも知れません。
語用論で分析する、DbDの煽り
あくまで個人の考察です。
DbDにある「せっかちな行動(通知音)」を例に取ります。
せっかちな行動はサバイバーの居場所をキラーに知らせてしまう行為であり、鯖側にとってゲーム展開が不利になるかもしれない行動です。
基本的にはチェイス中以外であれば、物静かな行動が推奨されるはずです。
ですが、この通知音をキラーから一定の距離がある場所で、”連続かつ数分”にもわたり通知した場合、せっかちな行動単一では感じられなかったメッセージ的な意味を付与して考えてしまうと思います。
「その行為は、想定した使われ方とは逸脱しているのではないか?」
「もしかして煽りなのか?」
と分析するのは、ひとの持つ語用論的な認識が機能しているからだと考えます。
そしてこの分析は各々の”社会性”に基づき、適切かどうか判断されます。
したがって、プレイヤーの社会性次第では、煽りに対し、何かしらの違和感を感じるのは妥当なのではないでしょうか。
» 語用論の基礎を理解する – 東京大学
» 言語と心の理論の関連を考える (Language and theory of mind)
DbD公式による「煽り議論の最終的な目的」にむけて
DbD公式では、煽り議論の最終目的を(意見の)乖離するユーザー間の相互理解と述べています。
ただし、煽りの定義は恣意的な部分があります。
そこで語用論などといった各々方面からの意見を重ね合うことで、ユーザー間の見解はまとまっていく…かも知れません。
お次は、煽りについて「ホルモン」と「感情」の面から考察していきます。
【DbD】煽りについて、脳科学にて考察【ホルモンと感情】
DbDはゲームの構造上「集団と個」を明確に分けた非対称型のゲームです。
よく聞くのが「キラーをやっていると頻繁に煽られる」というもの。
たしかに「煽り=鯖」みたいなところがありますが、何故、サバイバー側からの煽り行為が目立つのか?
そこには「オキシトシン」という脳内ホルモンが影響しているかも知れません。
鯖の煽り行為は「オキシトシン」の影響かも
サバイバーでのプレイ中、私たちは「オキシトシン」という脳内ホルモンの影響を受けているかも知れません。
オキシトシンとは、愛情や社会行動の形成などに重要な働きをするホルモンです。
オキシトシンは集団の結束力を高める効果もあり、連携力が試されるサバイバーはオキシトシンの影響を受けているのではと考えます。
オキシトシンは素晴らしいホルモンなのですが、
集団力を崩そうとする存在にたいし、”敵意”を向けてしまう性質をも含んでいるといいます。
そのため、キラーは鯖からの煽りを受けやすいのかも知れません。
» 結束の強い社会ではフリーライダー叩きが激しい
» オキシトシン神経系を中心とした母子間の絆形成システム
もしかしたら鯖は、DbDに煽らされているのかも?
オキシトシンに続く、考察です。
ゲーム中、鯖は意識せずとも、集団を崩してくるキラーに対して、次第に”敵意”が高まるとします。
よくある煽りといえば、ゲート前の連続屈伸やライトカチカチではないでしょうか。
脱出が確定した瞬間、まさに安全圏であることを場所をいいことに、キラーへの敵意を爆発させ、感情のおもむくまま対戦相手に無礼をはたらいてしまう。
ひとによっては試合中、熱くなってしまい、ついキラーを煽ってしまう人もいれば、PTの集団心理で気が大きくなり、煽るひともいるでしょう。
ただ、こういった感情は誰しもが持っており、オキシトシン影響を少なからず受けているはずです。
そのためDbDは、ひとのもつ”煽り感情”を誘発しやすいゲームデザインなのかもしれません。
ですが、煽らない人もいます。
では「煽る人と、煽らない人」との違いは何なのでしょうか?
煽り感情をコントロールする脳のはたらき
この記事内ではわりと重要でして、”DbDだけではない”お話しになります。
人間関係でイラッ!と、感情的になった経験は誰もがあると思います。
感情的になっても人の前だけに、なんとか冷静な自分に立ち返ることができた…はずです。
それが画面越しのネットゲームとなると、対人意識の薄れから、抑制すべき感情が丸出しになりやすい傾向があります。
その理由には、大人の脳みそと呼ばれる”前頭葉”の成熟さが絡んできます。
自制心や社会性にかかわる脳「前頭葉(前頭前野)」
成熟した”大人”が煽りまくる…というのは考えにくいでしょう。
それは前頭葉(前頭前野)と呼ばれる「大人の脳みそ」の成熟さが関係しています。
前頭葉(前頭前野)は言語や感情の抑制、コミュニケーションの分析、判断といった高度な認知判断に欠かせない脳領域です。
DbDのみならず、煽りという、野蛮な行為を平然とやれてしまう人の脳は、この前頭葉(前頭前野)の成長に未熟さがあるのかもしれません。
前頭葉の成長はとっても時間がかかる
ただしこの前頭葉、成熟にはとても時間がかかります。
脳の成長って、けっこう時間がかかるんです…。
というのも、私たちの脳みそは、前頭葉の成長よりも「感情をつかさどる脳」が先走って成長してしまいます。
そのため、若いうちは、感情的・衝動的ともいえる行動に出がちなのです。
年配より、若者が活気的なのはこういった理由なんですね。
一概には言えませんが、
試合中に「あっ…これは…」と思える煽り行為に遭遇したら、もしかしたらそれは行為者の”脳の成熟さ”が関係しているかも知れません。
» 10代の向こう見ず 原因は脳の「ミスマッチ」
» 【DbD】あなたの年齢を教えてください|電撃playstation
…とはいえ、
昨今のニュースでは40代の煽り運転など、年齢に比して精神発達の未熟さを感じさせる出来事があります。
脳の健全な発育のためにも、”若いうちから社会性を意識した行動”が望ましいといえます。
» 人間は30代になるまで本当の“大人”にはならない?|BAZAAR
【DbD】それぞれの煽り認識
脳科学から話しは変わります。
私の知り合いで、連続屈伸を煽りだと考えていない人がいました。
知り合い曰く「お礼」だと考え、ゲート前などで連続屈伸をおこない、キラーに対戦の礼をしていたと。
ここまでお読みの方には信じられないでしょうが、ホントの話です。
DbDにて、ロバート山本さんの煽り行為
ロバート山本さんのゲート前行為は物議になりました。
ご本人「初めて知りました」と前置き後、謝罪されていました。
初心のうちは「その行動がなにを意図するものなのか?」存じない方もいます。
【DbD】煽りを受けたらどうするべきなのか?【対応と世間の目】
さいごに「煽りの対応」と「世間の目」についてお話しします。
煽り行為への対処法とマインド
煽りを受けて私たちにできることは、
「ブロック」と「マインド変化」でしょうか。
不快と感じるようであればブロックが望ましいでしょう。
ブロックしてもロビーで遭遇することはありますが、そしたら退出します。
それにブロックしておけば、ファンメも防げます。
マインドについては、「自分でコントロール不能な領域で悩まない」ことです。
相手の言動は変えることはできません。
しかし、自分のなかにある認識は自分次第で変えることができます。
それに「煽り=嘲笑」だと決めつけないほうがよいでしょう。
プレイヤーによってはゲームの通念を知らなかったり、その人なりの考えやコミュニケーション(先ほどの”お礼”など)かもしれません。
ただし、目に余るような煽りモーションをする者もいます。
それは無視でよいかと思います。
そんな人をあなたが相手する必要は何ひとつありません。
試合は崩壊するかも知れません。
ですが、楽しむはずのゲームで不快になることもありません。
煽る相手のことをいろいろ考えてしまう方へ
DbDはネットゲームですので、世界中の多種多様な人がプレイしています。
その多様性を理解していても、私たちはつい、煽る相手のことを”自分とおなじ目線”で捉えてしまいがちではないでしょうか。
それは年齢・性別にしかり、国や文化、生い立ちなど、すべてがあなたとは異なる存在なはずです。
なかには感情のコントロールがまだ未熟なプレイヤーもいるはずです。
自分の中の倫理観を通して相手の行為を考えてしまうと、そのモラル認識の違いに、一方的に不快になってしまいます。
そうなった場合は一旦DbDから離れてみてはいかがでしょうか。
時間が経ち、メンタルが変化することで、相手の行為を違った目線で捉えられるようになるかも知れません。
今の時代、煽りをするのは危険「世間の目」
ネット・SNS・配信…
現代社会は「世間の目」が至ることろにあります。
DbDは「動画配信」が盛んなゲームです。
煽ることで自らの言動を衆目に晒してしまい、最悪、なにしかしらの被害に発展するかもしれません。
いまは良くても将来そういった動画を周囲に発見され、若気の至りでは済まさず…
未来の自分に悪影響を与えてしまうかも知れません。
たかがゲーム、されどゲーム。
後先のことを考えた行動を心掛けたいところです。
DbDのみならず、すべてのゲームで楽しい時間を共有していきたいものですね。
ではではー。
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