STの皆さんは現場のスタッフらと、どのように情報を交わしていますか?
私は急性期にありながら、”端的な伝達力”にとぼしく、とても悩んだ時期があります。

いまでもですが…。
ここでは私が、学び、現場で実践してみた方法を3つご紹介していきます。
備忘録的に書いたものなので「へぇ~」ぐらいで読んでください。
自分が伝えたいことと、相手が聞きたいことは違う
当時のわたしは回復期から急性期へと転職したばかりでした。
慌ただしい急性期…。
医師と相談しようにもタイミングがつかめず。会話できても「手短に」という雰囲気。
それに加え、当院は「紙カルテ」ってこともあり情報伝達に難渋します。
当初、先生方によく言われたのが「で?、どうしたいの?」と言うおことば。

要件をスマートに伝えられない…。
回復期の感覚が抜けていない私は、悩みました。
STとしては「こうしたい」「あーしたい」があるわけですが、自分が話したいことと、相手が知りたいことは違うわけです。
「このままではいけない」…私はそう思いました。
先生らが手厳しいのは「プロのST」として期待されているからだと自分を鼓舞します。
”相手の思考”を整理できる「3つの伝える技術」
本題に入ります。
わかりやすく伝達するスキルは学ばなきゃ手に入りません。
「受け身ではいけない」そう感じた私は本屋へ直行。
そこで手に取った本がコレです。
タイトル通り、説明の順番についてわかりやすく解説された本です。
この本によると「伝えるスキル」は大きく3つあるといいます。
- ①:説明する順を考える
- ②:相手の理解レベルを意識する
- ③:言いたいことをまとめてみる
この3つを意識したことで、以前にくらべスムーズな伝達ができるようになりました。
かるーく説明していきます。
①:何をどの順で説明するのか
本にはこうありました。
自分が考えた順ではなく、相手が聞きたい順でつたえる。

うわぁ…できてない。
…猛省です。
例えば、VFの報告書を書いても、医師がぱっと目を通すのは「結果」がほとんどです。
もちろん「自分はこう考えており、こういう評価をした」を説明することが大切な場面はあります。
ですが、まずは”結果”を知りたいんです。
②:相手の理解レベルを意識
スタッフ全員がリハにくわしい訳ではありません。
私は医師にとある患者さんのリハ方針を「数字」で伝えたことがあります。
わたし「いまの食形態だと3割ぐらいで…」
内科医「え!?そうなの!!マジか」
わたし「そこで私の提案としては…」
内科医「うんうん」
数字を出して回答した理由は、数字であれば客観的なイメージが湧きやすいだろう…と考えたからです。
医師といえど、すべての分野をフォローしているわけではありません。
それぞれにあった、理解レベルを意識するようにしました。
③:言いたいことがまとまっていない
現場が慌ただしいと、伝える側も焦りますよね。
わたしは音声障害があるので、焦るととたんに声が出なくなります(涙)
なら、一度書いて整理しようと思い、作ってみた”伝達用の報告書(書類)”
紙カルテ現場ならではのアナログ発想ですが、発信する側の「思考整理」になります。

私の現場ではこれが上手くいきました!
言いたいことを一端整理できるので「口頭」での伝達も以前よりはスムーズにできるようになりました。
ちなみに口頭伝達ではこちらの本なんかもおススメです。
文章にすると、相手が冷静に目を通せる
それに、書類が効果的な理由はもう一つあります。
あまり「話をしたがらない医師」っているじゃないですか…?

…いますよね!?
「ちょっと話しかけないでくれオーラ」を纏っているちょっと相手しずらいあのお方。
ですが文面で渡すことで医師のタイミングで目を通せ、伝達内容も証拠として残せます。
ただ、毎回はよくないので、場面に応じて「口頭と書類」を切り替えます。
【まとめ】3つの伝達スキルと、アナログだけど優秀な「紙」伝達
ここまでの話しをまとめます。
- 3つの伝達スキルを意識する
- 説明の順番
- 理解レベル
- 言いたいことを整理する - ごく短めの書類にして提出する
伝達スキルは自前の経験だけでなくあらためて学ぶことで、より正確な対応力が身に付きます。
とはいえ、今回の記事はあくまで私の経験談。参考のひとつとしてお考えください。
本記事でご紹介した著書はこちら
よければお手に取り、参考にしてください。
ではでは。
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