こんにちは。
転職組STのかづおと申します。
言語聴覚士といえば転職しやすい部類ですが、転職後の働きかた(マインド)にはすこし気をつけたいところ。
というのも、『経験年数が高い』STの転職が危うかったりします。
その理由を2つに絞って説明していきます。
①:転職先にある「ルール」を知ること
転職するとわかること。
それは、これまでの職場と転職先との『考え方の違い』です。
ひとまず、過去の経験は置いておき、まずは「転職先に根付くルール」を知る必要があります。
「そんなの当たり前でしょ?」と思われるでしょうが、案外ひとは「過去の経験則」を無意識的に誇示しちゃったりします。
一歩間違えばこの「経験則」が、転職先で軋轢を生む原因になるかも知れません。
これまでと転職先の「違い」を理解する
実際にあったケースです。
わたしの前職のお話しですが、経験年数のある転職STと、現場の主任で意見が分かれ、問題に発展したことがあります。
その問題とはVF中に生じました。
何かというと『喉頭侵入時のリスクをどこで線引きするか?』というものです。
嚥下評価は数々ありますが、VFにおいても『Penetration-Aspiration Scale』や『喉頭挙上遅延時間』などといったガイドラインが設けられています。
しかしながら、当病院では過去、VF後にいたたましいアクシデントが生じました。
その経験から「厳格化された独自のVFガイドライン」が敷かれたのですが、転職STはそれを受け入れられない様子。
それどころか転職STは、自身の評価力をアピールし、攻め込んだ嚥下治療の必要性を医師に訴えます。
職場の数だけ「考え」がある
この件の善悪は別にして、説明すれば変化するものと、そうならないものがあります。
ましては「嚥下障害」ですし。
命の取り扱いを「漠然としたルール」で制定できないからです。
たとえ良かれと提案したことでも、十分なディスカッションをせず、転職先の事情を知らずに意見を突き通せば「扱いにくい人物」として考課されます。
- 職場の数だけ考えがある
- 自分の経験則ばかりが絶対ということはない
この考えは重々、承知しておくべきです。
患者さんのために、という気持ちはわかるのですが、現場(新天地)のルールを尊重したうえで、あなたという人物をアピールしていく姿勢は欠かせません。
そんな「姿勢」をまわりは評価します。
②:「他者ベース」の姿勢を持つこと
つぎに「他者ベース(他者理解)」というマインドです。
他者ベースとは『価値基準が他所にある』考え方です。
これは、職場のルールや人間関係、はたまた「教育関連」に大きく影響する考え方だといえます。
「価値基準」が他人にあること
転職者はその経験から、後任の指導を任されることがあるかと思います。
ここで「自己ベース」を優先した指導者は、後輩の成長を阻害してしまうかも知れません。
イギリスにこんなことわざがあります。
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.
これは、そのひとを導いたとしても、最終的に行動するかどうかは『その人』であるという意味です。
もちろん指導者の培ってきた経験を伝えるのはとても大切ですが、お節介が過ぎるのも些かかも知れません。
そのことを具体的に記したブログがあります。
» 新人教育に悩む言語聴覚士に知ってほしいこと【コーチングのすゝめ】
ひとの成長をどのように手助けすればよいのか?指導に不安のあるSTはお読みください。
経験のある言語聴覚士が転職で意識すべき「2つ」のマインド
ここまでになります。
私自身、転職を経験したり、また転職してこられた先輩STに指導を受けた経験があります。
それらの経験を通じて得た、数々の学びをここに記してみました。転職を控えたあなたの参考になれば幸いです。
ではー。