言語聴覚士のかづおです。
新人のころ、先輩方に勉強の質問をするとたくさんの本をすすめられました。

でも、STの参考書って何が良いのかな?
たくさんあって迷いませんか?
ここでは私がいまでも臨床で助けられる参考書を『分野別に厳選』してご紹介します。領域は成人分野です。
どの本を買えばいいか分からない方は参考にしてください。
成人領域の言語聴覚士におススメな参考書
以下の領域に対応する本を、厳選してご紹介します。
- 失語症
- 高次脳機能障害
- 嚥下障害
- 運動性構音障害
- 脳画像
失語症
失語はこの2冊が臨床をフォローしてくれます。
- ①:失語症言語治療の基礎
- ②:失語症臨床ガイド
①:聴理解や呼称訓練など、モダリティー別に失語症訓練の基礎を学べます。
②:訓練に着目した『より実践的』な参考書です。
個人的におススメなのは「失語症臨床ガイド」の症状別アプローチです。
「感覚失語への意味を利用した単音節訓練」
「純粋失読への視覚系を対象にした基礎訓練」
☝本のなかの一例。
この本のポイントは、各患者さんに向けた『独自の訓練方法』をエビデンスと交えて紹介している点です。
発売日は古いですが「訓練プログラムの辞書」として、いまでも臨床に役立ちます。
高次脳機能障害
高次脳臨床で大変お世話になっている2冊です。
2冊ともそれぞれ機能局在から訓練方法まで、わかりやすく丁寧に書かれています。
症状別に課題シートが掲載されており、2冊とも付録のDVDで印刷することができます。
訓練指導マニュアルは『シリーズ化』されていて、そちらは問題集をダウンロードできます。ただし社会復帰を目標にした就労支援レベルの内容になります。
嚥下障害
嚥下の臨床には必須といえる2冊。藤島先生を含む、有名本です。
①:観察すべきポイントや、その対応法を「挿絵&動画」で分かりやすく解説しています。
②:その名の通り、聴診から嚥下病態を拾う、ガチのトレーニング本。
注目すべきは2冊とも付録のDVDによる『VF・VE』や『嚥下音』の解説です。
就職先によっては「VF」などがない環境もありますよね。そんなSTの学びを支える強い味方になります。
運動性構音障害
この2冊を通じて『徒手的なアプローチ』の必要性が理解できます。
「アライメント」や「筋トーン」の調整といった、神経・筋促通によるディサースリアの治療法が解説されています。
机上だけの構音訓練はこれで卒業です。
構音だけでなく「嚥下・呼吸」にも応用できます。
脳画像
脳画像の知識を、この一冊でアップデートしちゃえます。
この本、ホント分かりやすくておススメです。
脳画像の種類や特徴から始まり、障害部位による神経症状など、画像付きでとても分かりやすくに書かれています。
まさに「百聞は一見に如かず」を表した参考書といえます。脳だけでなく、血管病変も紹介されています。
「おまけ」ポケットマニュアル
「ポケットマニュアル」シリーズから1冊だけご紹介します。
このシリーズ最大の利点は『携帯性』です。

MWSTの3aって…。
こんな瞬間ってありませんか!?
わたしは評価点のアンチョコとして使ったりします。
ですが、この本のみですべてを網羅するのは不十分でして、やはり各種専門書に目を通す必要はあります。
ケーシーのポケット内にあると安心できますよ~。
より「専門性」の高い3つの参考書
続いては、より『専門性の高い』参考書をご紹介します。
解説が伴うため、各リンク先でのご案内です。
動画で学べる「失語症の症状とアプローチ」
失語症へのアプローチを『動画』で学べる貴重な一冊。STと患者さんの実際のやり取りから多くの情報が得られます。

» 失語症臨床にとても役立つ1冊の参考書をご紹介【訓練を動画で解説】
脳卒中後の構音障害への「徒手的アプローチ法」
徒手的アプローチの優れた点は『その人らしい』発話に導けること。本書は少ないページ数で深い内容だけに驚きです。

»【参考書紹介】ディサースリアへの徒手的アプローチを実践した結果
脳画像の新しい勉強法
脳の障害部位と症状(ST領域)をリンクして解説しているので、まるで『STのために作られたかのような参考書』です。

»【読影力】脳画像の新しい勉強法を学べるおススメの参考書をご紹介
ではー。