こんにちは。
言語聴覚士のかづおと申します。
若手STのみなさんはどういった勉強をされていますか?
就職先によっては学習制度が整っておらず『臨床に出てからの勉強方法が分からない』と悩むSTがいるとおもいます。
そこで、私自身の経験をもとに、新人STさんへの学習アドバイスになるような記事を書いてみました。

資料も添付しております。
新人言語聴覚士が実践したい勉強法【方法:報告書&バイザーを作る】
私が新人のころ、以下の方法でSTとしての基礎力を高めることができました。
- ①:症例報告書の作成
- ②:バイザーを作る
この2つの学習法は『インプット&アウトプットの反復練習』にあたるので、科学的に効果のある勉強法に相当すると考えられます。
①:「症例報告書」を高頻度で作成する
報告書作成から学習までの流れを順に説明すると、こんな感じです。
- ①:簡潔な報告書テンプレートを作る
(基本A4で1枚に収める) - ②:担当患者分の症例報告書を作る
(例:5人担当/5枚)
- ③:基本週1で作成する
- ④:完成日を決める(木曜日など)
- ⑤:バイザーに提出
- ⑥:できればバイザーからF.Bを受ける
(F.Bは業務後、1Hが望ましいか)
この方法を「半年~1年」は続けてみます。
症例報告書のひな形を作るのは大変ですので、「テンプレ」と「記入例」の2つをご用意しました。
ちなみに記入例は私が1年目の頃につくった報告書です。

全体的に捉え方があまい…汗
もしも週一で作成すると決めたら『アウトプットしたい領域をひとつに絞る』ことで、効率的に書き込むことができます。
習慣化された学習は「自信」になる
「週一で書いて、バイザーに報告…⁉」
「ちょっと大変過ぎませんか?」
ごもっともな意見ですが、この勉強法には2つの意図があります。
ひとつは新人のうちに大切な知識を獲得できること。もうひとつは、言語聴覚士としての『自信』です。
患者さんを受け持ちはじめると、必ず自分の判断に迷うときが訪れます。
STとして大事なときに、反復学習で身に付けた知識が「糧(自信)」になり、迷いのないリハ判断を下だすことができるはずです。
臨床学習では「患者さん」にご協力を願う
報告書だけでは当然学びきれません。
そこで『臨床学習』も必要になるのですが、この学習方法には、患者さんの協力が必要です。
臨床学習というのは「頸部聴診」や「肺雑音」といった、机上の学習だけでは正着打が確認しずらい学びのことです。
これらは個人の経験だけでは正しく評価できているのか不安ですよね。

ステートの当て方あってるかな…。

じゃあ一緒に評価してみよう!
ガチの新卒のころであれば臨床を教わる機会はあったと思いますが、評価力が『おざなり』のまま時が過ぎていった、というSTもいるのでは?
患者さんの同意を得られれば、バイザーと一緒に患者さんのお部屋へ向かい、そこで評価を行う。そしてその場でバイザーから正される。
こういったリアルで地道な研鑽が、STの臨床力を高めていきます。

»【頸部聴診法】VFのない病院での嚥下評価でSTが意識していること
②:言語聴覚士の勉強法「バイザー」を作る
もしも職場にバイザー制がなければ、先輩にバイザーを願い出ることも勉強です。
バイザー役としても、指導を通じて気づくことは沢山あります。
- 後輩の報告書にF.Bをする
- 後輩からの質問に答える
- 評価・治療を一緒に共有する
- 分からないことを一緒に調べ、考える
バイザーの本質的価値は『ともに学び合う存在』だといわれます。
先輩へバイザー役をお願いするのは勇気がいりますが、先輩にとっても有益な機会になります。

堂々と願い出てみてください!
学びにくい環境では「オンライン学習」を活用する
「マンパワー」とか「人間的な相性」などが原因で、学習環境が整わない職場って、まだまだありますよね。
そういった環境では『オンライン学習』を推しています。
有名どころは『リハノメ』さんですね。
オンライン学習は学びたい分野を自由に学べて、さらに解説が得られるというメリットがあります。
たとえば、VFの画像をくり返し見ても、そこに『先生の解説があるかどうかで理解力に差』が出ます。
勉強を効率的にするという意味でも、オンライン学習をおススメしています。
オンライン以外では「リアル勉強会」なんかも欠かせませんね。学習はもちろん「おなじ価値感をもった仲間との出会い」は、心身のリフレックスにもなりますよ~。
新人言語聴覚士が手にしたい「参考書」とは?
ここまで紹介してきた勉強法はものすごくチカラになるのですが、シンドイです。
その点『参考書』はいつでもその分野を深掘りして学ぶことができます。

»【厳選】成人領域の言語聴覚士におすすめする臨床特化の本をご紹介
では~。