【頸部聴診法】VFのない病院での嚥下評価でSTが意識していること

STコラム

こんにちは。かづおです。

私は実習中の先生から言われた忘れられない”一言”があります。

VFのない病院にいったらどうする?

嚥下をあつかうSTにとって、VFは心強い検査です。
ですが、すべての医療施設に設置されているわけではありませんよね。

そういった環境下で嚥下を支える味方のひとつに聴診器があると思います。

かづお
かづお

そう…頸部聴診法!

ここでは、頸部聴診法でわたしが意識している3つのことを書いていきます。

 

※本記事はいち言語聴覚士の見解であり、嚥下病態把握の完璧な手引きではありません。
ご意見のある場合はコメント欄にてご指摘くださいませ。

▼こちらの記事も読まれています
»【厳選】成人領域の言語聴覚士におすすめする臨床特化の本をご紹介
» 新人言語聴覚士が実践したい勉強法【方法:報告書&バイザーを作る】

スポンサーリンク

【嚥下】VFのない病院での頸部聴診法でSTが意識していること

私が意識している頸部聴診法(嚥下)のポイントは3つ。

  • ①:既往歴の把握
  • ②:嚥下音・嚥下前後の呼吸音評価
  • ③:生活・臨床でのチェック

説明していきます。

1.既往歴の把握

言うまでもないですが、まずは既往歴。

ここは頸部聴診のポイントというよりは嚥下全体の把握です。

入院時の病態だけでなく、CVAや喫煙歴、呼吸疾患、服薬状況など、既往歴は今後のアプローチに大きく影響してきます。

かづお
かづお

嚥下は全身状態の把握が欠かせませんよね。

なかでも進行性の疾患には注意しています。

 

過去にあったのが、PDの患者さんで「転院1週間前にVFを行った」というサマリー情報です。

サマリーでは「軟菜レベル可」と送られてきたのですが、実際は不顕性誤嚥++な患者さんでした。

嚥下は覚醒レベルによって変化するため、既往はあくまで情報のひとつと認識しつつ、観察・評価は抜かりなく行うようにしています。

スポンサーリンク

2.嚥下音・嚥下前後の呼吸音評価

聴診開始前の呼吸音が判定の基準となります。

かづお
かづお

正常な音を知ったうえで評価します!

評価に用いるのは食物と水分(とろみなし)です。とろみありでも評価します。

以下、嚥下音の生理学的考察です。

  •  最初のクリック音
    (食塊が食道入口部に達したとき)
  • 最後のクリック音
    (食塊が食道に入り切ろうとする瞬間)
  • 食塊の流動音
    (2つのクリック音の間)

これらを念頭に入れつつ、臨床に挑みます。

ただ、はじめのうちは難しいので、トレーニングで耳を鍛えていきます。

 

嚥下障害のある患者さんはアブノーマル(逆流音・湿性音など)な音を放ちます。

不顕性誤嚥の患者さんですと、ムセがなく、嚥下後の呼吸変化や残留音、それに湿性音が聴取される場合が多いです。

かづお
かづお

追加嚥下があるかもチェックです。

嚥下音や呼吸変化を聴取しつつ、Best Swallowへの道を探るようにしています。

 

ちなみに頸部聴診のトレーニングでお世話になった2冊はこちら。

動画付きDVDですので、VF映像や聴診音などを自宅で徹底的にトレーニングできます。

3.生活・臨床でのチェック

2で説明した音の評価を、生活・臨床で活かします。

経口摂取が可能な患者さんであれば、咽頭通過の音、逆流音など、判明しにくい内部のうごきをその場で評価します。

「あっ、この患者さんは頸部右回旋がいいかも」
「ん?飲み込んだとき、なんか変な音するなぁ…」

VFでないと見逃しやすい評価でも、生活・臨床場面でチェックできるのが聴診器の強みですね。

かづお
かづお

持ち運びも楽なのもポイント。

※嚥下評価は頸部聴診法だけではなく、さまざまな評価法を重ねて総合的な判断をしていきます。

 

嚥下の臨床についてはこちらの記事もどうぞ。

「嚥下+廃用」患者さんから学んだ2つのこと【口腔内環境の大切さ】
「嚥下+廃用」患者さんから学んだことをお伝えします。おもに口腔機能の重要性について書いています。

»「嚥下+廃用」患者さんから学んだ2つのこと【口腔内環境の大切さ】

スポンサーリンク

頸部聴診法の注意点

さいごに頸部聴診法の注意点についてです。

  • 嚥下前後の音を評価する!
  • 視診・触診なども加えた総合評価をする!
  • 聴診法は絶対ではない!必要時はVF・VEを!
  • 日々トレーニングを積む!

頸部聴診法で有名な「大野木」先生のことばをお借りしました。

頸部聴診法は一朝一夕で身に付くスキルではないため、音を聞き分ける意識を持ちながら日々の臨床に取り組むようにしています。

ではー!

 

▼こちらの記事も読まれています
»【参考書紹介】ディサースリアへの徒手的アプローチを実践した結果

【文献より】頸部聴診法の診断精度

頸部聴診法の診断精度はこちらの文献に記されています。

» 頸部聴診法|大宿 茂

また、本記事の参考にもさせて頂きました。

 

 判定精度、一致率について

嚥下障害(喉頭侵入・誤嚥・咽頭残留)の有無を頸部聴診法で判別させた調査では,80%以上の一致率で判定できたと報告されている。

 感度特異度について

感度 90.8,特異度 92.3,判定一致率 91.0 の高い一致率で嚥下障害を判別できたと報告されている。

STコラム
スポンサーリンク
Kazuo.blog

コメント

タイトルとURLをコピーしました