【文献情報】音韻&意味セラピーについて調べてみました【失語訓練】

STコラム

失語症訓練でメジャーな「音韻・意味セラピー」について、どのような手法なのか、文献でしらべて書いてみました。

発話生産の訓練になやむSTのご参考になればと思います。

かづお
かづお

訓練課題の説明ありです。

※本記事はいち言語聴覚士の見解による執筆であり、病態把握などの完璧な手引きではございません。
もし、ご意見のある場合はコメント欄にてご指摘くださいませ。

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【文献情報】音韻&意味セラピーについて調べてみました【失語訓練】

調べさせていただいた文献は「発話生産に対するアプローチ(2019)」です。

かづお
かづお

かなり勉強になりました。

「音韻・意味セラピー」とは、失語症状の機能に焦点をあてた訓練法です。

たとえば意味機能に障害があれば、そこに”ターゲットを絞り”、セラピーをしていく…といった技法です。

なぜターゲットを絞る必要があるのでしょうか?

答え:失語症の回復は「音韻・意味」機能の回復だから

失語症の回復プロセスは「意味と音韻の機能回復である」と、Lambonら(2002)は指摘します。

つまり、音韻・意味ともに訓練すれば良い!ということになるのですが、字面通りではいけません。

かづお
かづお

評価による”分析”が欠かせません。

音韻機能、意味機能がどのような”バランス”で障害されているのか?を吟味し、それぞれにあったプログラム構築が肝心であるといわれます。

では、実際どんな訓練方法になるのでしょうか?

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症例1.音韻セラピーの実際【文献の実例より】

セラピーの実例を文献より、要約してお伝えします。

評価:音韻セラピー

「音韻セラピー」の実施記録です。

音韻障害を認めた、50代の右利き男性(高校中退)。

  • 左頭頂葉皮質下性出血
  • リハは発症から1.5ヶ月後より
  • 右片麻痺
  • 流暢型失語、失行、右半側空間無視

自発話は文レベルだが、その大半は実質語の生産が皆無。ただし、簡単な会話や指示理解に支障は認めず。

著しい呼称障害(2/20)に、復唱は単語から不確実で、音読は仮名単語の一部を除いてほとんど正答せず。

掘り下げ検査の結果も含め、”音韻機能障害が重度”であり、意味機能は良好に保持されていることが示唆された。

かづお
かづお

誤反応の詳細は割愛します。

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訓練①:音韻セラピー

訓練内容は、絵と文字の同時提示して、確実に復唱可能なモーラ数を”くり返し復唱”するところからスタート。

4モーラ語になると困難を呈したため、鉛筆なら「えん」と「ぴつ」のように、生産できるモーラ数に分け、別々に復唱させた。

確実に復唱可能となったところで、「えん」と「ぴつ」を結合させ、「えんぴつ」と生産させる。

かづお
かづお

これを”blending課題”というようです。

うーん、勉強になります。

訓練②:音韻セラピー

復唱が確実となった時点で、復唱の”前刺激後”に「音読」→「呼称」へと促す。

経過とともに仮名一文字の音読が可能となったため、途中から復唱ではなく音読に変更。

「仮名文字の音読→漢字単語の音読→呼称」へと切り替えた。

音韻セラピーの「結果」

訓練開始から3.5か月後。

  • 呼称:2/20→16/20
  • 復唱:2文節レベルは不確実ながら可能
  • 音読:短文レベル

自発話については「そのまんま東」などの多音節かつ実質語の生産が豊富に。

音韻性錯語は残存するも、ターゲットを同定し得る語へと変化したようです。

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症例2.意味セラピーの実際【文献の実例より】

つぎは「意味セラピー」の実例をお伝えします。

評価:意味セラピー

「意味セラピー」の実施記録です。

意味障害を認めた、50代の右利き男性(大卒)。

  • 左中大脳動脈領域に広範な脳梗塞
  • リハは発症から2ヶ月後より
  • ごく軽度右片麻痺
  • 中程度流暢型失語、構成障害、右半側空間無視

呼称は16/20で誤反応の大半が意味性錯語で、語頭音ヒントでの促通は不確実だった。

復唱&音読はいずれも短文レベルで、概ね7~8割の正答だが、必ずしも理解を伴わなかった。

掘り下げ検査を実施したところ、音韻機能は保持されながら、”意味機能に障害がある”ことが明らかとなった。

かづお
かづお

掘り下げ検査の内訳は割愛します。

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訓練①:意味セラピー

訓練では、ターゲットとなる語のマッチング課題(絵と単語など)をさせ、さらに、カテゴリーごとに単語を分類する課題をおこなった。

例:野菜・台所・調味料・ドリンクなど

また、症例の回復過程に合わせて、まったく異なるカテゴリーから、”意味的に類似したカテゴリー”へと、課題難度をコントロールした。

かづお
かづお

異カテ→同カテ。

訓練②:意味セラピー

文献では「odd課題」を用いていました。

odd課題とは以下の通り。

  • odd picture out
    絵の中にある”仲間外れ”を削除する
  • odd word out
    合わない”単語(文字)”を削除する

例として「ジーンズ、短パン、靴下」から仲間外れを1つ挙げるというような訓練方法です。

刺激提示には、絵(picture)&文字(word)があります。

また、odd課題以外の訓練もおこなっていました。

  • 反対語課題(例:老人ー若者)
  • Yes/No判断課題(例:苺は田んぼで採れる?)

意味セラピーの「結果」

退院時には会話での錯語や各課題での誤りは軽減したとのこと。

ただし、この患者さんとのリハ期間は短く、そのため経時的な変化は確認できなかったようです。

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失語症の勉強は奥が深く、たくさんの学びが必要だな~と実感します。

参考書のなかには”動画”で訓練方法を学べる教材もあるため、個人的におススメしています。

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では!

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