ChatGPTはリハビリの現場で本当に役立つのか?
「セラピストのためのChatGPT活用ガイド」を実際に読んで、臨床での活用方法や、読んで分かったことを紹介します。
購入を検討している方の参考になれば幸いです。
リハ職向け「ChatGPT活用ガイド」を読んで分かったこと
今回読ませていただいた本はこちら。
AIの参考書自体はたくさんの種類がありますが、PT・OT・ST向けは少ないので貴重です。
日々の臨床業務に役立つことがピンポイントで書かれています。
「chatGPT活用ガイド」を読んで何を学べたのか
参考書を読んで学べたことはこちら。
- 訓練プログラム作成の効率化
- 報告書関連の作成と文章校正
- 文献の検索の効率化
臨床業務の効率化に役立つAIの使いかたを中心に、たくさんの分野を分かりやすく学ぶことができます。
ただし、AIは万能ではありません。この点については後述します。
この参考書は購入はすべきか?
難しい内容ではないので、AIを端的に学ぶには買って損のない一冊だと思います。

ただですね…。
AIは「習うより慣れろ」の側面も強く、進化も非常に速いので、AI系の参考書の内容はすぐに古くなります。
個人的には、「セラピストならChatGPTをこう活用できるんだ」と気づくための一冊としておすすめです。
AI初心者にはよい入門書、すでに活用している方には再学習として役立つでしょう。一方、AIを十分に使いこなしている方には、必要性は低いかも知れません。
リハ職向け「ChatGPT活用ガイド」を読むことで学べること

ご紹介している参考書から、私自身が学べたことを一部ご紹介します。
リハビリ職に限らず、AIを使うさまざまな場面で応用できる内容です。
AIへの質問(プロンプト)の精度が上がる
AIはこちらの質問の精度によって返答が変わってきます。曖昧なまま質問すれば、答えも曖昧になります。
つまり、AIの使い方を覚えるというよりも、質問する側の「質問精度」を高めていくことが、最良の活用方法です。
例えば、こんな質問だと曖昧です。
【具体性の低いプロンプト】
「失語症について教えてください」
これでも回答は得られますが、どのような情報を知りたいのかまでは伝わりません。AIは広く抽象的な質問を苦手とします。

人間でも同じですね。
そこで、質問をもう少し具体的にしてみます。
【具体性の高いプロンプト】
「ブローカ失語について、言語聴覚士が臨床で評価するときのポイントを3つ教えてください」
このように「何について」「誰が」「何を知りたいのか」を具体的に伝えつつ、返答数を絞ることでも自分が求めている情報を得やすくなります。
そしてこのプロンプトこそ、ChatGPTを活用するうえで重要なポイントの一つです。
リハビリテーションプランの作成に役立つ
訓練プログラムを考える際、AIは心強いサポートになります。

ただし、漠然と指示するのはNG!
AIはあくまでAIであり、セラピストではないからです。
いきなり「訓練方法を考えて」と丸投げするのではなく、まずは自分の立場などの前提情報を伝えることが重要です。
例えば、こんな感じでAIに指示します。
【ChatGPTに与える前提条件】
・私は言語聴覚士です。
・回復期リハビリテーション病棟に勤務しています。
【担当患者の情報】
・70代 男性
・病巣:Lt-MCA(脳梗塞)
・神経学的所見:中等度右片麻痺
・神経心理学的所見:中等度のブローカ失語
・言語療法:1日60分
【ChatGPTへの依頼】
予後を踏まえて、現段階のリハビリテーションプランと、30日後・60日後の回復段階を想定したリハビリテーションプランの両方を作成してください。
あとは、提示されたプランをこちらで「校正・加筆」していきます。
文章の校正と要約(サマリー・報告書)
chatGPTは文章の整形がとっても得意なAI。
例えば、こちらでざっくりとサマリーを作り、その文章をAIに与えてこの様に指示します。

400文字以内で要約。
【治療サマリー】
発症から〇か月以上経過した時点で、当院で本格的なリハビリテーションを開始しました。入院時は検査表のチェックに記された高次脳機能障害を認め、音読や書字などにも困難さがみられました。
訓練では、視覚探索や記憶、音読、書字などを中心に実施しました。現在は入院時と比較して緩やかな改善がみられ、特に記憶面で改善傾向を認めています。一方で、高次脳機能障害は残存しており、日常生活や復職に向けた課題も残されています。
ご本人は復職への希望が強く、訓練にも意欲的に取り組まれています。今後も現在の状態を踏まえながら、適切な目標設定と訓練を継続していく必要があります。
サマリーの形式次第ではもっと短くできるかもしれません。
文献検索に楽になる
例えば、「呼吸リハ」を研究した文献を調べるとします。
【ChatGPTへの依頼】
呼吸リハビリテーションについて解説している文献を検索してください。
【検索条件】
・現在から5年以内に発表された文献
・日本語文献を3つ
・英語文献を3つ
・呼吸リハビリテーションの具体的な訓練方法について記載されていること
・可能な限り、査読付きの学術論文や学会誌など信頼性の高い文献を優先する
存在を確認できない文献や、内容を確認できない文献は紹介しないでください。文献情報に不確かな点がある場合は、その旨を明記してください。
実際に検索すると、「呼吸リハビリテーションの現状と展望」をはじめ、信頼性の高い文献があっという間に見つかります。
英語の文献も、ChatGPTに「医療用語を適切に、文脈に沿った日本語で翻訳して」と指示すれば、自然な日本語に訳してくれます。
臨床で「chatGPT」を使う上で注意すべき事
AIを使ううえで、一番恐ろしいのは情報漏洩ではないでしょうか。
「どこで、誰が、どのように」AIを扱うのかを組織全体で理解し、マニュアルを整備することが大切です。
リンク先では、個人情報の取り扱いからAIの活用法まで、医療従事者が知っておきたい情報をお伝えしています。

本記事がAI学習の助力になれば幸いです。
ではー。
